第20章 幸せな人生をありがとう/真田弦一郎4/4更新
「もっと強くだ!!」
「えっ……もっと?」
「当たり前だ!」
叩かれているのは、弦一郎であるが泣きそうなのはの方である
それでも真剣に頼む弦一郎を応えるべく
「スーハースーハー……」
深呼吸をし、息を整える
「じゃあ……いくよ?」
覚悟を決め、自身も気合いを入れる
両手を広げ、一気に弦一郎の頬を
「えいっ!」
掛け声とともに挟むように叩く
先ほどと大差はない威力
でも、弦一郎には伝わったのである
の叱咤激励が
自分の頬に置かれたの手の平に自分の手の平を重ねる
「見事に気合いが入ったぞ」
微笑みを浮かべ、の顔に合わせるように、角度を調整しながらゆっくりと顔を近づけていく弦一郎
今にも沈もうとする夕陽が、2人を包み込んでいく