第20章 幸せな人生をありがとう/真田弦一郎4/4更新
ぎこちない弦一郎の動き、そして自分を見つめる熱い視線にキスをされる……
いや、自身もキスしたいと思う
でも……
「(どうしたらいいのかしら?)」
目をつぶって待った方が良いのか
「(はしたない女と思われて嫌われたくないし)」
葛藤をするが、答えがみつからずに、結局黙って弦一郎を見つめる
そんな彼女の様子を見て、くちびるを合わせようと脳が判断するが、身体が金縛りにあったように動けない
なんとか動かすが、壊れたロボットのようにカクカクしてしまう
「(だらしないぞ!!男たる者が、これしきの事では。しっかりせんか!!)」
自らを叱責するが、上手くいかず
「……すまぬが、気合いを入れてもらえんか?」
「えっ?」
弦一郎の申し出の意味が、分からないは、何度も瞳をパチパチと動かす
「気合いって?」
「はたいてくれ」
ビンタのジェスチャーをする弦一郎に、戸惑いながらも頷く
「良いの?」
「うむ。頼む」
「じゃあ……」
弦一郎の望みとはいえ、怒ってもいないのに
叩くという行為が、イヤではあるが仕方なく
ペチン
と叩く
が、そんなか弱いビンタでは、気合いなぞ入らない