第20章 幸せな人生をありがとう/真田弦一郎4/4更新
夏休みに入り、全国大会も終わり引退をした弦一郎は、を海へと誘い出したのである
夏とはいえ、お盆を過ぎているので土用波も高く、クラゲが浮いている状態では、泳ぐわけにもいかない
それでも、デートらしいデートをしたことのなかったは、波打ち際をはしゃぎながら楽しんでいる
「そんなにはしゃいでいると転ぶぞ」
「だいじょーぶだよ!真田くんもおいでよ!」
後ろ向きに歩き、手をふるは、まるで子供のよう
そんな彼女を目を細めて見守る
弦一郎にとっては初めての彼女
優しく、思慮深いは、弦一郎の理想の女性である
「真田くーん!」
「!?」
後ろ向きで両手を振っていたが、突然の高波によって、足を取られコケてしまったのである
慌てて、駆け寄り手を差し出すと
「コケちゃったぁー」
照れ笑いをし、ペロッと舌をだす
胸を矢で射抜かれるとは正にこの事であろう
と、弦一郎は思った
可愛い
愛おしい
触れたい
熱を帯びた弦一郎の瞳は、のくちびるに釘付けになってしまう