第18章 海堂、妬きもちを妬く/海堂薫 4/2更新
オレの目の前にちょこんと座り
黙ったままオレを見つめている
「どうした?」
声をかけても黙ったまま
「言いたいコトがあるなら、はっきり言え」
「……薫くん」
にっこりと微笑む
可愛いじゃねぇか
「今日、やきもちを妬いてくれたでしょ?」
ぬわっ!?
バレてるのか?
だが、認めるわけにはいかねえ
そんなダサいコト出来るか
「なに言ってんだ?」
「あー!!薫くん、照れてるでしょ?」
へらへらと笑いながら、オレに
にじりよってくる
「ンなコトねー」
「ウソついても、私には分かるもーん」
からかい口調のは、楽しそうに
近寄ってくる
「ウソじゃねぇ」
「またまたぁ」
「黙れ」
「むう」
くちびるを尖らせ、頬を膨らませるの顔を見てたら
自然に身体が動き、くちびるを合わせてしまう
いつものオレだったら、そこで終わる筈だが
マズい
終わりそうもない
先程の光景を思いだしちまうと
イライラ、ムカムカする
別にが、悪いわけじゃねぇのは
分かってるつもりだ
でも、抑えようがない
合わせるだけのキスでは物足りない
舌を差し込むと逃げるの舌
逃げられたら追いかけたくなる
「ン……ンン……!」
舌を絡ませ、くちびるを吸い上げていくうちに、オレはを押し倒していた
そのまま覆い被さり、胸を揉むと身体を跳ね上げる
「気持ち良いのか?」
「………うん。でも……」
「でも?」
「優しくしてね?」
恥じらうように笑い、静かに瞳を閉じるコイツを見て、岩で頭を殴られたような
気分だ
オレは、自分の怒りに任せて抱こうとしてしまった
きっと、は気付いている
そんなオレを受け入れようとしてくれるなんて
「すまねー」
「えっ……?」
「優しくする」
「薫くん……」
「なんだ?」
「大好きだよ」
オレの首に回される細い腕
「ああ。オレもだ……」
ぎゅっと抱きしめ、オデコにキスを落とす