第18章 海堂、妬きもちを妬く/海堂薫 4/2更新
「薫くん……怒ってる?」
「怒ってねえ」
練習が終わっての帰り道
オレの隣りを歩くが、顔を覗き込んでくる
「じゃあ、機嫌が悪いんだね」
「そんなコトねぇ」
いや、実は……
かなり面白くねぇけどな
「今日、寄っていっても良い?」
「なんでだ?」
「今日は、一緒にいたい気分なんだもん」
瞳をキラキラさせて
オレを見るんじゃねえ!!
恥ずかしいじゃねぇかよ
「ねっ、良いでしょ?」
オレの腕を掴み、すがるように見つめられたら
まるで捨てられた子猫を見ている気分になっちまうじゃねえかよ
にネコ耳つけて
首には鈴
しっぽも付ける
「薫くーん……みゃあ」
想像しただけで
可愛いじゃねえかよ
やべー
顔がにやける
そんな顔を見られたくなくて
違う方を見ると
「あー!!」
「?」
「今、変なコト想像したでしょう?」
「してねー」
「してたよ!!薫くんのコトだから
私にスク水着せて、ネコ耳付けて、しっぽも付けたんじゃないの!?」
「スク水は着せてねぇ!!」
スク水、有りだな