第16章 壊れている世界/跡部景吾 3/31更新
信じた結果が、これだ
壁に寄りかかっている日吉
その瞳は、見開かれている
お前の最後に映ったは、狂気の中にいたのか?
それとも、泣いていたのか?
『跡部さんと付き合っていると、あの人が不幸になるんですよ。別れて下さい』
はっ
何、莫迦なコト抜かしてやがる日吉
を幸せに出来るのは、俺だけだ
自信を持っていたあの頃
『跡部さんの知らない所で、1人で泣いているんですよ』
俺の知らないの姿を知っていた日吉
挑戦的に、俺を睨み付ける
テメーの得意な下剋上とやらか?
いいぜ
幾らでもかかってきな
テメーなんかに負ける俺様じゃないぜ
俺は、何も出来ない道化師
狂気への世界に足を踏み込むに気付かず、ただ信じていた
否、俺の愛した女が狂気への世界に入っていくのが認めたくなかっただけだ
俺が、手放していれば
この惨劇には、ならなかったのか?
を、幸せにするって言ったのは
間違いだったのか
俺は、愛する女を不幸にしただけか?