第2章 真田とおもちゃと私/真田 幸村 3/16更新
「な、何かな?……かな?」
背中が、有り得ないくらい湿ってきているのが、分かる。
ぎこちなく、振り返ると
「……」
満面の笑みで、私を見つめる幸村が…
いや、瞳が……瞳が……笑ってないよ
何、その妖しく光らせるのやめて
「手……出してごらん?」
言われるままに手を差し出すと
カシャン、カシャン
「ん?」
「なっ?」
私の右手と真田の左手が、手錠によって繋がれてしまった
「ゆ、幸村くん?これは、どう云うことなのかな?」
あまりの出来事に、声が震えてくる
真田を横目で見ると、口を大きく開けパクパクと。まるで、金魚みたい。
「俺と遊ぼうか?」
妖しく笑いながら、触れるか触れないかくらいの微妙なタッチで、私の頬から順番に、耳、首筋、胸へと指を滑らしていく。
焦らすように触れてくる感覚に、背中がゾワゾワと波打つよう。
「ちよっ……やめて……」
「くすっ。ごめんね?これじゃ、物足りないかな?」
「ん……!」
いきなり、唇を奪われるとは、まさにこの事。
固く閉じた筈の私の唇は、幸村の舌によって、侵略されていく。
幸村の舌を受け入れてしまう……
今まで、味わったことのない刺激に、何も考えられなくなりそう……
「って、淫乱なんだね?弦一郎が、見てるのに」
くちびるを寄せたまま、語りかけられ……
そうだった。
真田が……いた。
恥ずかしさのあまり、涙が出そうになる