第15章 素敵な夜/仁王雅治 3/30更新
シャンプーが終わり、鏡の前に座るといつも緊張してしまう
だって、鏡越しで見る仁王さんは
うっ……
やっぱり素敵
ブブブ……
「あれ?」
バイブにしてあったスマホが、小刻みに動きだした
「ほれ……」
「あ…」
2人同時にスマホに手を伸ばしたから
指先が、触れてしまった
ちょっと、ラッキーかも
にやけてしまう顔を必死で堪えて、画面を見ると電話の主は、友だち
「もしもし?……えっ?ウソでしょ?……うん。そっかあ……うん、大丈夫だよ。お仕事、頑張ってね」
「ん?彼氏か?」
「違いますよ。お友だちです」
はぁー
ため息がでちゃうよ
「どうした?ため息なんかついて」
「実はですね……」
今日は、友だちと舞台を観にいく約束をしていた私
でも、友だちが仕事の都合でキャンセルをしてきたコトを伝えた
「んで……どうするんじゃ?」
「チケットは、私が2枚持っているので……」
1人寂しく観るしかないよね
「俺が一緒に観に行ってもいいか?」
「えっ?」
「イヤか?」
まゆをハの字に曲げ、困り顔の仁王さんが、鏡越しにみえて……
いつもよりも子供ぽっくて
なんだか可愛い
「でも、お仕事は?」
「今日は、お前さんが最後の予約じゃ。大丈夫じゃよ」
「じゃあ……よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げ……
もう、顔をあげるコトは無理だよ
嬉しくて頬の筋肉が緩みぱっなし
友だちに感謝だわっ
ありがとう!!