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【合同企画】 その駅の名は

第4章 五人目


「ねー赤司、オレ変な夢見ちゃった。オレと赤司とレオ姉と永ちゃんで山奥の無人駅においてきぼりにされんの」

「……ちょっと待って小太郎。その駅って周りに何も無くて彼岸花が一面に咲いてなかった?」

「うん、そーだよレオ姉。なんで知ってんの?」

「もしかしてその駅から一本道が続いてねーか?」

「え?永ちゃんもなんで知ってんの⁉︎」

実渕と根武谷の言葉に、赤司は確信した。四人とも同じ記憶を持っていることを。だが、念のため葉山に尋ねてみる。

「小太郎、その駅の名はなんといった?」

「え?えーとたしか……きさらぎ駅」

実渕と根武谷がハッとしたように赤司を見る。やはりか、と呟くと赤司も三人の方を向いて言った。

「奇遇だな。僕も夢の中でお前達と一緒に行ったんだ。そのきさらぎ駅に」

絶句する三人。赤司はそれ以上何も言わなかった。



下車駅に間も無く到着すると車内アナウンスが告げる。部員達はそれぞれに荷物を持ちドアへと向かう。四人も席を立ち、荷物を持ってドアへと向かった。電車が駅に到着しドアが開く。そこはまぎれもなく降りるはずの駅だった。続々と降りていく部員達の一番最後に降り立つ四人。その表情は険しいままだ。

ふわり、と頬を撫でるような風が吹く。その風に背中を押されるように駅を後にする。その時、四人とも気づいていなかった。その風に乗ってチリンと鈴の鳴るような音がしたのを。そして足元に彼岸花が一輪、燃えるように風に揺れていたのを。
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