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【合同企画】 その駅の名は

第3章 トンネルの中


「全員無事か?」

短く尋ねた赤司に黛が応える。

「ああ、全員無事だ。一体どうしたんだ赤司?」

「あのまま進んでいたら僕達はどうなっていたかわからない。このまま駅に戻るぞ」

赤司は厳しい顔つきのまま、元来た道を戻ろうと歩き出す。

「ちょっと待って、戻るってどういうこと征ちゃん」

隣を歩きながら実渕が説明を求めた。チリンと鈴の鳴るような音がする。

「詳しいことは後で説明する。とにかく今は急いで駅に戻ることが先決だ」

ただならぬ様子の赤司と、その隣を歩く実渕の後を三人が追う。全員無言のままだった。

人気のない住宅街を抜け、コンビニまで戻ってきた。外から伺う限り、相変わらず店内には誰もいない。やはりか、と呟き赤司が足を速める。再び住宅街へと出るが、来た時とは何か様子が違う。どことなく薄暗いのだ。心なしか灯りの点いている家が少なくなったような感覚に全員がとらわれる。何かが警鐘を鳴らしているような気がして、自然と足を速めた。
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