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【合同企画】 その駅の名は

第3章 トンネルの中


道路へと戻ると住宅街の方へ向かう。だが人の姿は発見できない。灯りの点いている家は増えているもののやはり人の気配がまるで無いのだ。相変わらず四人の時計はバラバラで、正確な時刻もわからない。どれくらい歩いていたのだろうか。四人が歩いている大きな道路からは一定の間隔で細い路地が伸びており、同じ所をぐるぐると周っているような感覚さえしてきた。何本目かの路地を通り過ぎると、道路が大きく左へカーブしている。カーブの先には線路と踏み切り。踏み切りを越えるとトンネルが続く。

踏み切りの前で赤司は他の三人を呼び止めた。

「ここから先にはしばらく民家はなさそうだ。問題はこのトンネルだな。進むべきか引き返すべきか…」

「征ちゃんが迷うなんて珍しいわね」

「何迷ってんだよ。進みゃいいだろ」

「何か気になんの?赤司」

「いや、具体的にこれが気になる、という訳ではないんだが…」

漠然とした不安とでも言うのだろうか。赤司はトンネルの方を見据えている。
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