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【合同企画】 その駅の名は

第2章 コンビニへ


「俺ちょっと呼んでみよーか?すみませーん、誰かいませんかー?」

葉山が従業員専用と書かれた扉の前で声を上げる。だが、まったく反応がない。今度は少しだけ扉を開けて、根武谷が声をかけた。

「おーい、誰かいねーのかー?」

「ちょっとあんた声デカすぎ。そんな大声出さなくても聞こえるでしょうに」

実渕は顔をしかめるが、やはり反応がない。店内は静寂に満ちていた。

「どーする?赤司」

何度か呼びかけてみてもまったく反応がないのを不安に思ったのか、葉山が神妙な面持ちで赤司に尋ねる。赤司は店内に入った時から険しい表情のままだ。店内をぐるりと見回して、三人へ向けて口を開いた。

「念のため外を確認してから店を出よう。この先にも住宅街があったからそちらで人を探そう」

「わかったわ」

「うん、おっけー」

「おう」

三人が口々に応えると店の外へと出た。店の周りを一周するが、やはり人の姿は見えない。遠くから風に乗って、またチリンと鈴の鳴るような音がした。
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