第5章 唯一無二の存在
「はい、おわり!
痛かったでしょ…」
俺の醜い傷をみたにも関わらず
彼女はなにも追及しなかった。
俺にはその優しさ嬉しかった。
「すまないな」
彼女はテーピングが上手で
痛みも少し減り、
なにより動きやすかった。
「ううん!お大事にね!
では私はこれで…」
「待ってくれ、今日一緒に帰らないか?
寄りたいところがあるんだ」
なんだか彼女から離れたくなかった。
「うん!」
この時から俺はもう彼女の事が
好きだったのかはわからない。
彼女には幸せになってほしい
反面、俺が幸せにしたい気持ちもある。
でもこれだけは誓おう。
ずっとお前には心を開いておくと―――。