第3章 さりげない優しさ
「あ、でね、話戻るんだけど
大輝と本当に大丈夫かな…
あのね!嫌いとか別れたいとか
じゃないんだけどさ…
なんか不安で…」
「不安?」
テツくんは本当に優しくて
信用できる相手だから
私は本音を言った。
「大輝と私じゃ
…世界が違うというか」
「あ、僕もそれたまに思います」
「え?テツくんも?」
少し意外だった。
テツくんはそんなことは
思わないと思っていた。
「はい。僕はもともと人より
身体能力が低い上に身長も低いです。
だからずっと3軍でバスケを
やめようかと何回も考えました。」