第12章 心の拠り所
「涼太、いつもありがとう」
帰り道、にっこり笑ってくれる
涼音。
「ううん、美味しいから
また食べに来ようね」
「うん!」
ぎゅっと袖を掴む妹。
「あ、ごめんね、歩くの早かったね」
俺はすぐに歩調を緩めた。
でも涼音は首を横に振っていた。
「ううん、そーゆーことじゃないの。
高校離れても涼太と晩ご飯食べれるかな
って思ったら不安になって(笑)」
そう言って彼女は笑って見せる。
でも俺にはわかる。
彼女は無理やり笑顔をつくっている。
「うん、食べられるよ
だから心配しないで」
そう言って俺は袖を掴んでいた
涼音の手を握った。
「涼太?」