第10章 決意
「私は大輝を超えるバスケ部を
作ってみせる。だからごめん」
「…涼音」
「黄瀬、考えておくよ
わざわざありがとう」
木吉さんは手を振りながら帰った。
大きい背中が小さくなってゆく。
「おい、お前本当にいくのかよ」
「なに?寂しいの?(笑)」
「お前も決めたことは変えねーから
どーせいくなっつってもいくんだろ。
ばかやろー…」
ん、と手を広げる大輝。
どうやら飛び込んで来いとゆうらしい。
「大輝、あったかい」
腕の中に入ると
ぬくもりが私を待っていた。
「試合したからな。
あ、汗臭いかもしんねー」
「ううん、全然臭くないよ
大輝の匂いがして、落ち着く…」
私も桐皇にいきたかった。
離れるのは寂しいから。
でもそれ以上に大輝にバスケを
楽しんでもらいたい。