第9章 図書館//黒子
「多分、僕の好きと真奈美さんの好きは違うと思いますが…」
「…え?」
「いえ、何でもありません。着きましたよ」
大きな建物が目の前に現れる。
ここで告白して、今日1日気まずくなるのは嫌だ。
何事もなかったかのように、僕は振舞った。
「さぁ、入りましょう」
「…うん」
二人で図書館に入ると、まずとても広く綺麗なことに驚いた。
二人掛けのソファや机、小さな子供の遊び場まである。
お互い好きな本のコーナーへ移動し、本を手に持って備え付けてある二人掛けのソファに座る。
僕はすぐ隣に彼女がいると思うと、心臓が早くなった。
しかし彼女は何も感じていないんだろう、本に読み耽っている。
僕も平常心を保ちながら本に目を落とし、読み始める。
「ふぅ…」
一時間程経ち、僕も少し目が疲れたので本から目を離すと、彼女がウトウトしているのがわかった。
いつもの笑顔も素敵ですが、眠そうな顔も可愛いです…。
と、突然彼女の頭が僕の肩に当たる。
「?!」
どうやら寝てしまった彼女が僕にもたれかかったようだ。
「真奈美さん…?」
小さな声で呼びかけるが反応がない。
深く寝入っているようだ。
ドキドキと心臓がうるさい。
「好きです…」
また、小さな声で呟く。
もう、黙っていられません。
真奈美さんが起きたら告白しよう。
ただ、それまでは…
肩にかかる彼女の温かさを感じさせてください。
ーーーーー
end
→おまけ