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ドナドナ

第1章 1。


ある晴れた昼下がりの市場へ続く一本道。

僕は彼女の後ろ姿を何も出来ず見送っていた。

彼女はまだ16になったばかりの少女。

荷馬車に乗せられ手には重い鎖をぶら下げ、つぎはぎの服を着た。

行き先は知っている。

美しく気高い彼女、もう戻って来てはくれない。

守ると言う約束はこんなにも簡単に破られた。

僕はまたせっせと井戸を掘る。

荷馬車は彼女のさみしい瞳を隠してゴトゴト揺れる。

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