第10章 ヒラでお酒の力
上司「今日どう?一杯」
『え?あー、そうですねぇ』
上司「いいじゃんたまには、あいつといるよりよっぽど絵になるよ?俺たち」
こういうのは、もう聞き飽きてる。
『やっぱり遠慮しときます』
上司「どうして?」
『今日は先約があるんで』
残念だけど、私はそんなことで彼を選んだんじゃない。
本当は初めて呑んだ時から、そのいい人過ぎる人柄と、そのお人好しがお酒を含んだ時には欲望まみれの愚痴魔になることを知ったから。もう放っておけないんだな。
ほらほら、だって寂しそうにこっち見てるから。
早く好きって、言ってくれればいいのになぁ。