第18章 実況者で密室(エレベーター編)
もうすぐ2人の目的地である1階に着く。この夢のような時間も残り数十秒。
レト「2人きりだね」
「えっ…」
レト「初めてじゃない?」
「そ、そうですね…」
沈黙に耐え切れなくなったのか、レトさんが口を開いた。
レト「…こんな機会滅多にないよね」
「…?」
レトさんが独り言のように小さい声で何か呟く。と同時に、1階に着いてしまった。
「あっそれじゃあ、おやすみなさい」
私は心にわだかまりを残したまま、エレベーターを出ようとした。
レト「待って!」
「!」
しかしその出口に、レトさんが立ち塞がった。
そして私の方へ真っ直ぐ歩いてきたと思えば、優しく抱き締められる。
「れっ…レトさん…?」
レト「…もう少しだけ」
「え…?」
すると扉が閉まり、他の階の誰かが押したことによって上へと上がり始めたエレベーター。
レト「真弓ちゃん」
「はい…」
レト「…好きです」
「!!?」
レト「2人きりじゃ…我慢できないるわけないじゃん…」
もちろん、私の答えはとうに決まってる。
この後同じように抱き締め返したことですごい焦る彼に、私も愛の告白をしましたとさ。