第16章 あろまほっとで天敵
あろ「…これで満足なんだろ?」
美人「…っ最低」
彼女はそれ以上何も言わずに、科学室から出て行った。
私が一番驚いたのは、自分が理由も分からず涙してること。切ないような、悲しいような、何とも言えない感覚になった。
あろ「!、木条…」
その場で立ち上がって、先生を一瞥する。
「す…すみません、盗み聞きするつもりはなかったんですけど…誰にも言わないんで……失礼します…っ」
あろ「ちょ、待って!!!」
ぼろぼろと泣きながら、言葉は何もまとまらないままに、思い付いたまますべて吐き出して走り去った。
あろ「木条!止まれって!」
しかし、なぜか追いかけてくる先生にあえなく捕まってしまった。
あろ「あぁ、追いついた…」
「…なんで付いてくるんですか」
そう言うと、先生は私を抱き寄せた。