第16章 あろまほっとで天敵
私、高校三年生の木条真弓には、この世でもっとも苦手とする生き物がいる…
虫と、科学教師のあろま先生だ。
なぜあろま先生と呼ばれているかについては、まあ色々と諸説あるのでここでは触れないでおこう。
あろ「木条ー」
「(ぎくっ…)」
放課後、一人下駄箱を目指して廊下を歩いていたら聞き覚えはあるがどうも私の耳には馴染みにくい高めの声が後方から聞こえる。
あろ「そんなあからさまに嫌そうな反応すんなよ」
「いやだって、先生に呼ばれるとろくなことないですから……それじゃあ」
あろ「待て待て待て待て」
「もー、なんですかぁ…」
あろ「お前はどうしてそう俺を毛嫌いするかなぁ」
実際のところ、あろま先生はこの学校の女生徒からの人気が高い。私はそれにすごく疑問を持っている。