第8章 食事会
椿「なーんてね。
冗談に決まってるじゃない。
人様の大切な娘さんをこんな猛獣に簡単に与えるようなバカなこと。
頼まれたってやるわけないでしょ。
私はそこまで非常識じゃないわ。」
陽「…よかった。」
本気と冗談がわかりにくい人だな。
胸をなでおろす。
司「びっくりさせんなよ。
姉貴の冗談は冗談に聞こえねえんだよ。」
椿「司が自力でなんとかしなさいよ。
でもいつになるのかしらね。
DTなんて青臭いのは司の年齢的にどうかとは思ってるのよね。
他の三人は済ませてるでしょ?
特に美作君や西門くんは早かったんじゃないの?」
司「あんな奴らと一緒にすんなよ。
俺は本当に好きな女としかしたくねえんだよ。」
ちょっとなんなのこの話題。オープン過ぎてついていけない。
いつまでこんな話題が続くんだろう。
もうかなり恥ずかしくていたたまれないんですけど。
でも食事はデザートが出たしそろそろ終わりに近づいたかな。
時間は8時前だ。
司「陽南の今日の門限は10時なんだよ。
そろそろ席外してもいいか?
陽南ともう十分話できただろ?」
私はほとんど話す隙がなかったけども。
でも話題が濃すぎるから。
もう十分だ。
できればお姉さんとはこれくらいにしたいかも。
椿「えええ?門限があるの?
素敵!陽南ちゃんて箱入り娘なのね。
司もちゃんと協力して守ってあげてるの?
すごいじゃない。
あんた、見直したわ。
そうね、あと少ししかないわね。
あとは時間まで二人で過ごしなさい。
陽南ちゃん、是非また遊びに来てね。」
陽「今日はお招きありがとうございました。
是非またよろしくお願いします。」
一礼して席を立つと、司に腕を引っ張られてとっととダイニングルームから連れ出された。