第6章 6話
(赤司side)
あれから一週間、俺の身の回りで起こる事は自身の目論見通り改善の兆しを見せていた。
しかし、一部に問題があった。
今横にいる山吹の事だ。
彼女はあれから逢沢と別れる気がないのかネックレスをつけたままだった。付き合う気があるのか聞いたがわからないと曖昧さの残る返事だけが返ってきた。
最初は単なる気の迷いなのかと思っていたが違った。たぶん、彼に同情してるからなのだろう。元はと言えば俺たちのせいで起こってしまった出来事だから僅かにだが同情心はあった。
それから、俺と彼女の関係。
さっきあったように彼女はネックレスを手放していないという事はつまり、まだ半分彼に心残りでもあるからか。逢沢はまだ彼女を所有しているわけだ。
何があっても彼女の気持ちを優先してやりたい俺はこれ以上の関係にあまり期待していない。
故に俺たちはこのままだ。
山吹にその気がないわけじゃないことも自身の気持ちも知ってる、だから焦る必要はないと暗示していた。
それに、最近俺の顔を見ると少し頬を赤らめ目をそらして意味のわからない言葉を話す山吹も悪くない。
たまに悪戯をして困らせるのも俺の楽しみになっていた。
俺「山吹」
山吹「何?わぁっ!!」
顔を見て話そうとしない彼女に少しイラッして顔を近づけたのが最初で反応が大袈裟で面白くてツボに入ったから最近はこうやって遊んでる。
そんな俺たちの空気に他のキセキは納得いかいないのか黄瀬あたりがとてもうるさい。
今朝の登校中も俺と山吹を2人にしようと仕組んでいたことに気づき、影で見守っていた奴らを先回りしてとっちめてやったところだ。
今日は仕返しに黄瀬の下駄箱の近く、青峰に命じてミミズを置いてこさせたところだ。
その青峰にも弁当を桃井の作った物とすり替えたり、今日は忙しい日だった。
残るは紫原のまいう棒だ。