第3章 種から芽へ
一「…………え 桜?」
驚いた一角の目線の先には少しだけ目を開いた桜がいた。
少し目を細め笑っている桜が。
「甘党屋 連れてってくれるんでしょ?
私 忘れないからね?」
いたずらっぽい笑顔で一角を見る桜。
その笑顔に今まで不安しかなかった一角の心が溶かされていく。
一「な んで?大丈夫なのかよ!?
まだ 起きるなよ!卯ノ花さん呼んできてやっからよ!」
そして瞬歩で一角は卯ノ花を探しに行った。
「……もう すぐどっか行くんだから。」
そして桜は考えた。
あの大量のギリアンのことを。
今回は倒せたからよかったものの 何回もあんなにギリアンが来たらさすがに耐えられない。
「……もっと 強くならなきゃ……。
みんなを 守れるように。」
もう二度と自分の目の前で血は流させないと
誓った桜。
一角を守れたことを少し誇りに思っていた。
しかし あんなに長い時間 始解の花姫を使ったのは初めてだった。
そのため 疲労で倒れてしまったのだ。
「まだまだ 花姫のことを知らないと……。」
横にある花姫を見る。
「花姫……もっとあなたのことが知りたい。
あなたのすべてを私に教えて……。」
そして……………………
一「桜!!!!」
大きく扉をあけて一角が入ってきたが桜は寝ていた。
卯「眠っていますね。
まだ少し寝かせてあげましょう。
また目を覚ましたら呼んでください。」
そして卯ノ花はまた部屋を出ていく。
一「さっきまで起きてたのにどうしたんだよ。」
この声は桜には 届かなかった。