第21章 蝶の奪還 episode4
山本「これより、朽木ルキアの処刑を開始する。」
瀞霊廷の双極の丘。
この場所で今、
朽木ルキアの処刑が開始されようとしていた。
砕蜂「ずいぶんと集まりが悪いな。
集まっているのは二・四・八番隊だけではないか。
五・十一・十二は仕方がないとして
他の連中はどういうつもりなのだ。」
傷が回復した二番隊隊長、砕蜂も双極の丘にいた。
するとそこに……
ザッ…。
ルキア「…に、兄さま……。」
ルキアが白哉を呼ぶ前に、
白哉はルキアから目をそらした。
まるで、突き放すかのように。
山本「朽木ルキア、何か言い残すことはあるか。」
一番隊隊長、山本がルキアに問う。
一瞬だけ目を伏せたルキアは……
ルキア「はい、ひとつだけ。」
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いまだ、姿を現さない一護。
一護側に転じた、阿散井恋次は
一護よりも早く卍解を身に付け、
ひとり、ルキア奪還へと向かう途中
朽木白哉と交戦し、敗北。
そんな中、織姫たちは
統率を欠いた護廷十三隊の中で、
十番隊隊長、更木剣八を味方につけ対抗していた。
「………恋次……。」
桜は、現場へと向かう途中で
瀕死状態の恋次を見つけた。
恋次の周りにある霊圧から、
恋次が白哉と交戦したことを悟る。
あれだけ尊敬していた白哉さんとの闘い。
きっと恋次の刃は白哉さんに届いた。
……彼を死なせはしない。
桜は霊圧を探る。
目的の人物の居場所を特定し、
恋次の腕を自分の肩に乗せる。
「恋次を花太郎君のところへ運ぶ。
コハク、お願いできる?」
コハクはしっかりと頷き、
桜と恋次を背中に乗せる。
移動中、桜は恋次を治療する手を止めなかった。
「いた‼花太郎君‼」
花太郎「桜さん!?
今までいったいどこに……そしてその姿は?」
「聞きたいことはたくさんあると思うけど今は後回しね。話なら後からいくらでも聞くから……」
その時だった……
ドオオオオオオオオ‼
「始まった……‼
恋次をよろしくね、花太郎君‼」
花太郎「桜さん、気を付けてください。」