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Flower story 《 BLEACH 》

第20章 蝶の奪還episode3






どうして忘れていたんだろう。

こんなにも大切な人たちを。

こんなにも大切な記憶を。


そして、その瞬間。

桜の意識は精神世界へと飛んだ。



?「やっと、記憶が戻ったのね」




桜の前には、あの女の子。

その子は、ふわっと優しく微笑む。


ああ、今なら何もかも分かる。




?「ずっと、この時を待っていたわ。
やっと、あなたの斬魄刀として戻れるのね。」




「ごめんなさい、つらい思いさせて……。」




?「いいの、またこうやって
あなたに名前を呼ばれる日が来るって信じてたから。」




女の子は、一歩前に出て手をさし伸ばす。




「………信じてくれてありがとう。」




桜も一歩前に出て、その手を握る。




?「おかえり、桜。」




「ただいま、






 ………花姫。」









その瞬間、ふたりを暖かい光が包む。

そして、桜の意識が現実の世界へと戻ってくる。

桜の手には、あのころのように
美しい光を放つ花姫があった。

前を見ると………




「コハクも戻ったのね。」




出会った頃の大きさに戻っているコハクがいた。

コハクの瞳は真っすぐに桜を捉えていた。


桜は花姫をギュッと抱きしめ、
コハクの背中に乗る。




「行こう、みんな戦ってる‼‼」




降っていた雨はいつの間にか上がっていて、
桜は<二十>の文字の入った羽織を着ていて、
服装も隊長だったころの服に変わっていた。

結んでいた髪をほどき、前髪を編み込む。


コハクは大空に羽ばたく。


精神世界では時間の経過が狂う。

恐らくもう、処刑が始まっている。

でもこの処刑はきっと、きっとあの人の企みの一つだから…



「みんなお願い、早まらないで。
この処刑はきっと仕組まれているから………。」




自分だけが知る真実を胸に、桜は戦場へと向かった。




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