第20章 蝶の奪還episode3
白哉「貴様、やはり来ていたか。」
「…できれば会いたくなかったです。」
白哉「しかし出会った以上……」
「手加減はしません。」
桜がそう言うと、
白哉は斬魄刀を構える。
2人の視線が交わった瞬間のことだった。
ガギンッ‼‼‼‼
白哉の斬魄刀が桜の
色蝶とぶつかり合う。
その激しい戦いを、
ルキアはジッと見ていた。
ルキア「あれは本当に桜なのか……?」
花太郎「どうしたんですか、ルキアさん?」
花太郎は岩鷲を治療しながら問う。
ルキア「あんなに綺麗に……
舞うように戦う桜は見たことがない。
私なんかのために
どれほどの鍛錬をしてきたのだ…。」
ルキアは涙目で桜を見つめる。
もうキツイ思いはさせないと誓ったのに。
自分のせいで……。
花太郎「…ルキアさん、もし桜さんに
命の危機が迫っていたらどうしますか?」
ルキア「そんなもの助けるに決まっている‼‼」
花太郎「それと同じです‼
桜さんにとってルキアさんは、
ルキアさんが思っているように大切なんです‼‼
自分を……自分を大切にしてください‼‼‼」
ルキア「‼‼」
自分を大切にする。
考えたこともなかった。
もし、もし少しだけでも
誰かに大切にされているのだとしたら……。
いや、もうこの時点で分かっているではないか。
みんなが自分を助けに来てくれた。
それだけで……。
ルキア「覚悟が崩れていく………。」
「ルキアに覚悟なんていらないの。
絶対に死なせないんだから‼‼‼」
白哉「そんなものは綺麗ごとだ。
奇跡なんて起こらない。
貴様らはここで死ぬのだ。」
「そうならないために、
今あなたと向き合ってるの‼‼」
白哉「貴様が私に向き合う?
そういうことはこれを防いでから言うんだな。」
その瞬間、白哉の刀身が消える。
白哉「散れ『千本桜』。」
ルキア「逃げろ桜‼‼‼‼」