第16章 目覚めた太陽
色蝶「桜、あなたになら……あなたになら
私の力を使いこなせる。」
これを。
そう言って色蝶は桜の手のひらにあるものを乗せる。
それは様々な色に変わる小さな光だった。
「これは?」
色蝶「その光は私の力。桜、その光に念じて。」
桜は言われた通りに光を握りしめて念じる。
するとこの世界が光りだす。
そして桜は身体に力がみなぎるのを感じた。
色蝶「桜、あなたは今までの一族とは違う。
だってあなたは………………」
色蝶が最後に言った言葉は聞こえなかった。
気づいたらあの神樹の森にいた。
「色蝶……ありがとう…………。」
桜はネックレスを握りしめる。
すると体中を大きな痛みが走った。
色蝶との戦闘の時の傷が痛み出したのだ。
「……かえ……らないと。」
1歩、1歩。
ゆっくりと桜は体を引きずるようにして
森をあとにした。