第1章 はじまりの種
「おい見ろよ今日も可愛いよなぁ…」
「ホントだよな。
大人の俺たちでも惚れるぜあれは。」
「たしか…ティンカーベルだっけ?」
流魂街南第一地区。
あまり流魂街にはいない美少女。
黄色の髪、白い肌、大きい目、細い足。
どこを見ても完璧だった。
見た目は15歳くらいの少女。
大人のあいだでも子供達のあいだでも
噂になっていた。
ティンカーベル。
少女につけられたあだ名。
美妖精と書きティンカーベルと読む。
そんなあだ名の少女が花畑で花をつむ姿は
周りにいた人々の心を癒す。
「…こんなもんかな?」
高い声。
なにもかもが可愛く美しかった。
笑顔でつんだ花を見る。
そして少女は走ってその場をさっていく。
少女の目指している場所は自宅。
「ただいま!お父さん お母さん!!」
「「おかえりー!!!」」
暖かい自宅。
きちんと両親が出迎えてくれて幸せな日々だった。
「ご飯できてるよ、手洗ってきな。」
「はーい!!!」
手を洗い食卓につく。
決してご馳走ではないが流魂街に住んでいる
人達にとっては羨ましいご飯だった。
親子3人で幸せな日々をおくり
このまま幸せな時が過ぎていく
はずだった。
親子3人の幸せな日々が壊されるのは近かった。