第1章 はじまりの種
白「落ち着いたか?」
荒かった息がだんだんと元に戻ってきた桜。
白哉のおかげで だいぶ普通に戻ってきた。
「…すいません ありがとうございます。」
そして白哉から離れようとすると……
白「…まだここにいろ。」
そう言って白哉は桜を自分の腕の中に閉じ込めた。
トクン…トクン。
ふたりの心臓の音が重なる。
しばらくして桜が白哉に抱っこされたまま 話し始めた。
「……私はこれからどうなるんでしょう?
もう ここにいられる時間も短いです。
…………白哉さん 私はやっぱり
一人で暮らすんですか?」
白哉の腕の中でカタカタと震える
桜。
自分と父親以外の男とは話せない。
それなのに 桜を一人にしていいものかと白哉は考えた。
白「…桜 前も言ったがやはりここまできたら死神になれ。
私もできる限りサポートする。」
「……死神…。」
死神。
刀を持って戦って 自分の命より他人の命。
そんなことが自分にできるだろうか。
そんな不安が頭をよぎる。
白「私もサポートする。
言っていなかったが私は六番隊の隊長。
それなりの力は持っていると思っている。」
「隊長!?!?」
瀞霊廷に入るのにも難しいのに そのなかの護廷十三隊の隊長。
才能があって なおかつ 努力に努力を積み重ねないと隊長にはなれない。
「……白哉さん 私 死神になります。
死神になって両親を殺した人を見つけます。
そして たくさんの人の命を守ります」
こうして ティンカーベルは死神になることを決意した。