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Follow your heart.

第5章 嘘つき




「てか、にの今日帰らねーって言ってなかった?」

「あー、単身赴任の旦那が帰ってくるとかであてが外れたのよ」

飄々と嘘をつく彼は参った参ったと笑っていて、私はそれをぼーっと見ていた。

「翔ちゃんごはん食べてきたの?」
「あ、軽く食ったよ」
「そっか、彼女さんは食べてないみたいだけど少し食べたら?今日もう泊まるんじゃないの?」

二宮さんと、翔ちゃんがこちらを見てきていてハッとして

「あ、帰り(ぐぅ)…」
「姫菜、泊まって行ったら?にのが飯作ってくれてるっぽいしさ」
翔ちゃんがにこりと笑って言う。

「我慢は禁物よ?欲に素直にならなきゃ、ね?」

二宮さんはとても妖艶な眼差しで言った。
その言葉は確実にさっきの出来事を指しながら放たれた言葉で、とても目を合わせていられなかった。

リビングのテーブルにつくと、二宮さんがいつの間に作ったのかハンバーグとサラダ、スープにご飯が並んでいて…、唖然とした私に

「昨日仕込みしてたの。翔ちゃんってほら料理全くでしょ?一応俺がここの料理担当ね。」

にこりと笑っていう彼はそれはそれは可愛い顔で反応に困ってしまう。

「お、おいしそうです」

そう言うと、二宮さんはにこっと笑った。
ドキンと音をたてた心臓はきっと気のせいだ。

「わー!ハンバーグかー!にのが作るのまじうめぇーんだよなあ。外で食ってくるんじゃなかったわー」

翔ちゃんはとても残念そうにしていて、二宮さんは翔ちゃんにまだ冷蔵庫にあるよ?と、首を傾げながら言うと翔ちゃんはにのー!!と、二宮さんを抱き締めていた。

ふふふと笑いながら翔ちゃんに抱きしめられている彼はすごく愛らしい。
二人きりの時のあの冷たい眼差しとは全然違う顔。
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