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黒バス短編集

第1章 みいつけた[黒子]


いつもはバイトだの宿題などで、忙しかったけれど、久々に暇ができたからショッピングにでかけた。

お気に入りのお店で、気が早いけれど、春物のワンピースとレースの髪飾りを買った。ちょっと派手すぎるかなーと思ったけど、一目惚れしちゃったんだ。しょうがない。

真っ直ぐ帰っても良かったけど、休憩がてらマジバに寄ってシェイクを飲んでいた。
窓に映る空は、日も暮れて、赤くなりつつあった。

「紅崎さん」

呼ばれて前を向くと、空いてる席に座ったはずなのに、そこではクラスメートの黒子くんがシェイクを片手にこっちを見てる。

「うわっ!黒子くん?!」
「どうも」

無表情のままの彼は私のリアクションとは正反対に片手をあげて挨拶。

「いつから?!ごめんもしかして、黒子くん先に座ってた?」

彼は影が薄くて、学校でも出現するたびに驚いてたから、きっと私も彼に気づかずに、どかっと椅子に座っちゃったんだろう。

「いえ、紅崎さんが見えたので、しばらく前にここに座らせてもらいました」
「……え?」
「つい、あの……いつもと雰囲気が違うので……可愛いなと思って話したくなったんです」

よ、予想外な返答。
しかも、あんまり喋ったことないし、喋ってるところもあんまり見ない黒子くんがすらすらと喋ってる!!
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