第6章 第三章
外に出ると夕日が綺麗に染まっていた。
「飛鳥ちゃんは、家どのへんなの?」
リコ先輩が聞いてきた。
「帝光中学から一キロ歩いたとこです」
「じゃぁ、私の家通り過ぎちゃうわねー
せっかく送ってあげようと思ったのに」
「いや、私なら1人で帰れますから大丈夫ですよ」
私はニコリと笑った。
まだ、初めて会ってからちょっとしかたっていないのにこれ以上迷惑かけられないし、、、
「ダメダメ!また、怪我したらたいへんじゃない!」
「え、でも・・・」
「俺が送るからいい」
私が困っていると日向先輩が言ってきた。
「さすが日向くんね!
じゃぁ、私はここだから!
またね、飛鳥ちゃん!」
日向先輩がそう言うとリコ先輩は家に入っていった。
私はリコ先輩の家を見て驚いた。
なぜなら、リコ先輩の家はスポーツジムだからだ。
すごいなぁと私が見ていたら日向先輩が行くぞと声をかけてきたので私と日向先輩は歩き出した。
「・・・」
「・・・」
・・・なんなのだろう、この空気は、、、。
気まずい。
私はなにか話そうかと考えていたら日向先輩が話しかけてきた。
「お前は、もう人を信じないのか?」
「・・・なんでですか?」
「いや、さっき話してたから」
「・・・信じられないです」
「なんでだ?」
「信じてた人に裏切られたことがこれで二回目だからです。
でも、私の幼なじみは私のこと信じてくれています。
昔からずっと一緒なんで私も信じられるんです」
「二回目か・・・・・・俺たちのことは信じられないか?」
日向先輩は、少し間をあけてから前を向いたまま言った。
「・・・今は信じるのが怖いです・・・」
「・・・信じてみないか?」
「へ?」
「だから、俺たちのこと信じてみないか?
俺たちは誰も裏切らない。
みんないいやつばかりだ。
みんながお前を裏切らないと俺が保証する、絶対にだ」
日向先輩は、歩くのを止めて私を見下ろした。