第6章 第三章
抱っこされてからとゆうものの、風がいきおいよく傷口に当たっていたい。
この人たちは走っているのだろう。
私が抱きかかえられて走っていると気づいてから数分がたち、私は目をあけていいと言われ目をあけた。
すると、目の前にはさっきの女子がしゃがんでいた。
まわりには男子が何人か立っていた。
どうやらここは部室らしい。
「あなた、ここに座って」
私はそう言われて大人しくベンチに座った。
ベンチに座ると女子の人が傷の手当をしてくれた。
消毒液がしみたが我慢した。
少しして手当が終わった。
「あ、ありがとうございます・・・」
私は小さくそう言いながら座ったまま頭を下げた。
「お礼なんていらないわ。
それより、なにがあったの?」
「リコ、それ普通聞くか?」
さっきの男子がツッコミ的なものをいれた。
男子の制服には血がついていた。
「あ、あの、制服汚しちゃってすみません・・・」
「あ?これくらい大丈夫だ」
男子は笑ってそう言った。
その人の目は優しそうな目だったが私は怖くて信じられなかった。
「あ、えっと、話した方がいいですよね・・・」
私は女子の人に体を向けなおすとさっきあったことをポツリポツリと話し始めた。
最後の方は泣きながら話していたから自分でもなにを言っているのかわからなかった。
「辛かったよね・・・」
女子は私が話し終わると優しく抱きしめてくれた。
「・・・ありがとうございます・・・」
「・・・リコも意外と優しいとこあるんだな」
「たしかに」
「意外にってなによー!!」
女子は、立ち上がって男子の方をみた。
少し拗ねているようだ。
「・・・フフッ」
私はなぜかその光景が懐かしく感じてしまい笑ってしまった。
「あ、やっと笑った」
男子が私を見てホッとした顔をみせた。
「・・・?」
私は突然のことでわからなかった。
「いや、だからさっきまで、辛そうな顔してたからさ」
「・・・たしかに、最近こうやって笑ったことなかったかもしれないです」
私はそう言うとまたフフッと笑った。
「日向くんったら照れちゃってー
あ、ちょっと自己紹介してたほうがいいかしら?」
「あ、はい」
「えっとまず私が、相田リコ。
誠凛高校バスケ部の監督!」
「俺は日向順平だ」
「伊月俊だ」