第3章 はじまり
「さつき、おまえ、騙されてるぞ」
青峰くんですら、信じてくれなかった。
ちょっと前までは彼氏だったのに、、
「騙さられてなんかない!!」
桃ちゃんがそう叫んだと同時に部活の終わりを告げるチャイムがなった。
「・・・桃ちゃん、もう、いいよ」
私は、涙がでようとするのを必死にこらえて桃ちゃんに言った。
どうせ、誰も信じてくれないでしょ。
なら、早く話し終わらせたい。
早く、この場から去りたい。
「でも!」
「いいよ。 みんなが、、、いや、あんたたちがそう言ってるんだからなに言ったって無駄」
「チッ!なんだよそれ!」
青峰くんは、私が言ったことにキレたのか、私の顔を殴った。
ガッ!
「っ!!」
私は頬をおさえて立ち上がった。
けっこう、殴られるのってけっこう久しぶりだ。
ハハ、もう、なにもかもが嫌になっちゃったよ、、
「青峰くん、なにするの!
飛鳥、帰ろ!」
桃ちゃんは青峰くんにまた叫ぶと私の手を引いて体育館を出た。
カバンは部室に取りにいくついでにけがの手当てまでしてもらった。
「桃ちゃん、ごめんね、、っ」
私は今まで我慢してた涙が溢れてきた。
「飛鳥、、」
桃ちゃんは、優しく私を抱きしめてくれた。
「・・・本当は少しだけ信じてたんだ、、
でも、やっぱダメだったよ、、。
けっこう、辛いね、、」
「私は絶対、飛鳥のこと信じてるからね。いじめなんかしてなかったし。」
「うん。ありがとう。桃ちゃん。」
「・・・帰ろっか」
私は、桃ちゃんにガーゼを頬にはってもらうと部室を出た。
帰る途中は、できるだけ明るい話をしながら帰った。
そして、私の家の前につくと、
「じゃあね。また明日!」
桃ちゃんが笑って手をふった。
だが、その笑顔は少しかなしそうに見えた。
私は、家の中に入ってお母さんにあいさつをすると真っ先に自分の部屋に入り窓を閉めた。
なぜなら、一つの窓は青峰くんの部屋がすぐ横にあるからだ。
もう、忘れなきゃいけないよね?
忘れないとあの人に迷惑かけちゃうし、、。