第6章 第三章
私は家を出て学校に向かった。
今日は、ピアスをつけているからなにかと違和感を感じる。
黄色い石が埋め込まれたリングのピアスだ。
黄色い部分には録音機能がついている。
リボンは黒い普通のリボンだ。
今の制服についているリボンの上から重ねてつけた。
帝光のリボンはいがいと小さいので重ねてつけても不自然ではない。
私は学校につくと、トイレにいき、ばれてないかもう一度確認すると教室に入った。
教室に入り、自分の席に座り教科書を机の中にしまおうとしたとき、
ネチャ・・・
私は、始めての感触に驚きすばやく手を引っ込めた。
すると、私の手は真っ赤に染まっていた。
「・・・血・・・?」
私は恐る恐る机の中にあるものそーっとだしてみると、それは、、、犬の死体だった、、、。
犬は体の毛を真っ赤に染めていた。
体は冷たくなりかけだった。
おそらく、息はしていないだろう。
「な・・んで・・・」
私はいつのまにか涙をながしていた。
それに気づいたクラスの男子が私を見てこう言った。
「うっわ、最悪」
「日比野なにやってんだよー」
男子はクスクスと笑っていた。
私はなにも言わずに犬を抱きかかえて走りながら教室を出た。
教室を出るときにクラスの女子たちが私の名前を呼んでいたが私は無視して走った。
走っているとき、すれ違う人に目をつけられたりしたが私はそれどころじゃなかった。
私をいじめるために犬が殺されたのだ。
私のために犠牲にされたのだ。
私の頭のなかはその言葉が繰り返されていた。
「飛鳥!?」
前から桃ちゃんの声がした。
私は桃ちゃんの声がして足を止めた。
「・・・」
「飛鳥、どうしたの!?」
桃ちゃんは犬を抱きかかえて制服や手が真っ赤になっている私を見て驚いていた。
桃ちゃんの後ろにはレギュラーメンバーたちが冷たい目で私を見下ろしていた。
「・・・私のせいで・・・殺されちゃった・・・」
私は今にも消えてしまいそうな声で言うとまた走りだした。
後ろで桃ちゃんの声がしたが私は無視した。