第10章 柊
「アイツは復讐ばかりで気付けなかったの。
お花にも感情があるって事に。
上手くあなた達をバラバラにして殺そうとしたみたいだけど、それを尽く阻止されている。
きっとアイツは今頃イライラしてるはず。
花だって、雑草だって、守ろうと思えば守れるのよ。
他の人達はまだアイツの用意したお花が邪魔して居場所はわからない。
だけど、お姉ちゃんと約束したから私はあなた達を助けるの。」
「花が邪魔して……?あ。」
岩泉の脳裏にマリーゴールドを踏み潰した及川の姿が過った。
「きっと、思い当たる節はあるはず。
全ての場所にはアイツが用意したお花がある。
それを壊さない限り……他の皆はアイツに囚われたまま。」
全ての始まりのクロユリ
絶望を与えた睡蓮
恐怖を与えたアザミ
そしてそれぞれが目にした植物。
思い起こせば今いるメンバーは植物がバラバラになった所で助かっている。
と言うことは……
「他の人達のお花はまだ咲いている。
アイツは用意したお花の場所に表れる。
だからまだ、他の人達は危険と隣り合わせなの。
だけど、私は助けるの……それが私の存在してる理由だから。
本当ならあなた達だってお花に殺されててもおかしくはないの。
だけど、それがなかったって事は、お花はアイツじゃなくて、あなた達を味方したの。
消えていったお花達の為にも、それを忘れないであげて。」
*NEXT*
花言葉:柊【守護】