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【ハイキュー!!】金木犀

第7章 番外編 ペンタス




清水は首を傾げた。
確か寺嶋の両親は3年前に離婚したと聞いていた。
ただ、特別仲が悪くて離婚した訳じゃないから気にするなって言ってたし、2つ下の妹とも離ればなれになったたとは言っていたが、妹さんとも結構頻繁に会ったりしているらしく、父親が家に帰って来ない時は妹さんの家に泊まりに行くのだとか。
おまけに妹さんは青城の1年でバレー部のマネージャーをやっていて、ついでに及川の彼女だとも言っていた。


4月の練習試合で初めて会った時に話しかけられ、寺嶋の様子を聞かれたのを覚えてる。
その時少し他愛のない会話をして、しっかりした良い子だなって思った。


そういえば、それがきっかけかもしれない。
青城は毎週月曜日は部活は休みらしく、たまに烏野に寺嶋の様子を見に来て皆と仲良くしてたなって思う。
偵察か?って思うかもしれないが、寺嶋自体裏のない人間だし、妹を見る限り本当に皆と仲良くしていたから嫌な感じはしなかった。


単純に大好きなお兄ちゃんに会いに来た妹。


ただ、それだけだ。


「寺嶋君のお母様、市内の方でお花屋さん営んでるらしいんですよ。」


「お花屋さん?」


「えぇ、皆がいなくなってしまって、早く見つかります様にってこのお花を持ってきてくれたんです。
綺麗でしょう、ペンタスって言う名前みたいですよ。」


「ペンタス……」


初めて聞く名前。


「さっき青城にもこのお花持って行ったって言っていました。
きっと、2ヶ月前に寺嶋君が行方不明になって、おまけに妹さんも行方不明になって何もしないではいられなかったんでしょうね。」


言いながら武田先生は持っていた花を陽当たりの良いステージにペンタスを飾り付ける。
体育館に花があると言うのは多少変な感じはあるが、今まで誰もいなく寂しげだった体育館が少し明るくなった気がした。


「そうだ、清水さんは花言葉詳しいですか?」


「え?いえ……」


急な質問に清水は若干戸惑いながらも首を横に振る。


「寺嶋君のお母様がこの花を持って来てくれたのにもちゃんと意味があるみたいですよ。」


「意味ですか?」


「それはね__________」


「!」


先生の言葉に清水がうっすら微笑むと、そろそろ帰りましょうかと2人は体育館を出て行った。




*NEXT*

花言葉:ペンタス【希望が叶う】
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