第2章 睡蓮
「リエーフ、下がれ!!!!!!!」
「うわっ!!!!!!!」
あまりの衝撃にリエーフが動けないでいると、黒尾が咄嗟にリエーフの首根っこを掴み力の限り後ろへ引っ張り、そのまま尻餅をついた。
それと同時に扉から突き出てるナイフが横に動き、ゆっくりとナイフで扉が開けられる。
皆は教室の背後へ出来るだけ下がり、何時でも逃げれるように身構え、緊張が張り詰める。
「……」
「大丈夫だよ、聖夜ちゃん。」
「……徹君……。」
聖夜の手をしっかり握りながら及川が視線はそのままに、聖夜に聞こえるように話し掛ける。
「何があっても、聖夜ちゃんだけは俺が守ってあげるから。
だから……だからさ……」
もし……
今が_____ったら_____て、_____と_____しよう。
「……。」
ね?っと及川が一瞬聖夜に視線を移し、微笑む。
聖夜は返事の変わりにギュッと及川の手を握り返した。
ソ ン ナ コ ト ワ タ シ ガ ユ ル サ ナ イ
聖夜の耳に直接女性の声が響いた。
*