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銀色の恋

第2章 今日の放課後


「こんちはーっす!」
校庭に向かう途中にある倉庫から後輩が出てきた。
「あ、翔太じゃん。やっほー」

この子は事あらば、楠木先輩!楠木先輩!と慕ってくれて超かわいい。まだ中学生なんだけど、春からうちにくるからもう練習に参加してるの。

まず校庭に着いたら顧問の先生に挨拶をする。
今日の指示もいつもと一緒。
ストレッチと軽いウォーミングアップをしてから練習に参加するようにってやつ。
ま、ちゃっちゃとこなしてから練習に加わりますか。

そろそろ身体も温まったしスパイクに履き替えようと思って荷物置き場に向かう途中、湊先輩と目があった。

─ドキッ

先輩は目が合うとにっこりと笑いかけてくれる。あたしもぎこちないながらに会釈をした。

「ユズ、久しぶり。元気?7ヶ月ぶりくらいかな?」
まさか話しかけてくるとは…!
「…!元気です!先輩も元気でしたか?」
緊張が顔に出ないように話したつもりだ。

最近の調子はどう?と話を続けてくれそうだったが、先輩の走る番が来てしまい手を振って行ってしまった。

「ユズー、なににやけてんのー」
そう言って肩に手をかけてきたのは彩音。
「に、にやけてないし!てか先輩とまともに話したのひさびさ過ぎて焦ったー」

「そんな緩い顔でハードルやってこけても知らないからね笑」
こける前にさっさと終わらせてやる!と言って苦手なハードル走20セットに取りかかった。



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