第1章 episode Y
「ねえねえ、名前なに?」
いつの間にか口をゆすぎ終わっている大野くんがじっと目を見ながら聞く。
「あ…、ながやまです。」
「ふーん、下は?」
「りえこ…です…。」
正面から見つめられて恥ずかしい。多分、無意識でしてるんだろうなあ。
そんなことを思いながら、自分の顔がほてるのを感じた。
「りえこちゃんか~。よろしくね。」
大野君はにこっと笑ってこういうと、洗面所を後にした。
私は、やっぱり美しいなあ、と思いつつ、どうして相葉ちゃんは私の名前を知っていたのだろうか、とか、他のメンバーは私がここにいることを知っているのだろうか、とか、これからどうしようか、とか、色々考えていた。