第9章 35日目
「だ、いじょうぶ?」
「ふん、大丈夫れす。」
「……あ、はは。」
私に寄りかかる様にして肩に腕をまわす。こんなに酔っている二宮くんは久しぶりだ。
「楽しかった?」
「…うん、寂しかった。」
「ふふ、会話にならないよ。」
「あーあ…、いじめたい。」
「なんで」
「がバカだから。」
二宮くんの「バカ、」に反応してしまう。
「……今の、もう一回。」
酔った二宮くんが、不思議そうに眉を寄せる。
「え?バカだから?」
「…………誰が?」
「え?が?」
「……世界一?」
「は?え?せ、世界一?」
「うん、世界で一番二宮くんのバカは私?」
「ええ?ちょっと何言ってんの、」
「………」
「なんで顔赤いの。」
「……内緒。」
「なんなの、全く。」
『 二宮くんのいないところで 』END.
『あのね、ちゃん、バカを二宮辞書に変換するとね、好きと可愛いの2つ意味があるって知ってた?』
『…!わ、忘れてました…。』
『あははっ、さすがだなあ!』
『二宮辞書、難しいです。』
『うん、でも開けただけでも凄いんだよ。』
『え?』
『二宮辞書、いっぱい使ってあげて。誰も触れなくて綺麗なままだから、ちゃんしか、触れないと思うから。なあんつって、』