第8章 34日目
「……、はっ!」
「はっ!じゃないよ。大丈夫?」
「だ、大丈夫。芸能人がいっぱいで
対処しきれなかった……」
「それ、かずくん複雑」
そう言って「ほら行くよ」と私に背を向け、リビングへ向かう彼の足が止まった。
「っと、その前に」一言呟くとこちらを振り返って私にチュッと唇を当てる。
視線が合うとフワッと口を緩ませる彼。
「ただいま」
「…お、かえりなさい」
「ん、」
フッと微笑むと、先に部屋へ入って。
その彼の背中を見送って口許が緩む。
この浮かれた顔のまま、嵐の皆様の前に出てはいけないと、緩んだ自分の顔を両手で叩き、気持ちを引き締めて扉を開けた。