第6章 32日目
「えっと、それは…二宮くん?」
「それ聞いちゃうの?」
「あ、えっと、」
「ふふっ」
「…今日は一緒に寝てくれる?」
「寝かすか、ばか」
「馬鹿は二宮くんだよ」
「なんでよ、」
「嫌いになれるわけないよ
狼の二宮くんも子犬の二宮くんも
大好きだよ私は」
またニッコリ笑う彼女。
どうやら私はバカに弱いらしく。
「…もうどうなっても知らない。
悪いのは、あなたよ」
1度フンワリ微笑むと、私の首に腕を巻きつけてギュッと力を入れた彼女が耳元で「ごめんね」と小さく笑って呟く。
赤くなる耳も、熱い身体も、この香りも全て、全て彼女計算なんだろうか。
だとしたら私は、非常にいい女を好きになりました。
『 むしろ計算であってほしい 』END.