第6章 32日目
「そんなんもたせてどうするの」と相葉さんの答えはやっぱり馬鹿だった。
「寝てる顔見てても、我慢出来ない」
「あはは、やば、そんな真剣に言うなって!」
こっちは真剣だっつうの。
そんな気も知らないで相手はお腹を抱えてケラケラ笑う。
「起きてたらもっと危ないから
遅い時間に帰るの?」
「まあ、」
「馬鹿だねえ、ニノは」
「お前に言われたくない」
「ふふっ…、ねえニノ」
ふてくされる私に相葉くんがなだめるように声をかけた。
「あの広い家の中
独りで寝るちゃんは
今どんな気持ちなのかなあ」
「………」
「そんなに理性が大事?」
「俺だったら理性が吹っ飛んででも、
好きな子に寂しい思いはさせたくないし、
1人ぼっちにさせたくないし、
一緒にご飯食べたいし、
手繋いでベッドに入りたいけどな
なんつって」