第14章 40日目
家に着くと、
二宮くんの家の前でうずくまる女性がいた。
私の足音が聞こえたのか
その女性が勢いよく顔を上げて
私と目が合う。
「………、」
「………」
その顔を見て驚いた。
女優の永尾美嘉だったから。
「…あ、えっと…」
「…あなた、この家の、人?」
そう聞かれて、答えに困る。
「…え、いや、あの、」
「…ふふ、失格」
「え!?」
「今のが私じゃなくて、
雑誌記者だったらどうするの?
アウトよアウト!…和の彼女、でしょ?」
「…………、」
私はオーラと勢いに飲まれて
何も返せなかった。
「ま、いいや!和まだ帰らない?」
「あ、はい、多分…」
「…そ、っか。」
うつ向く美嘉さん口元は笑っていても
目が凄く寂しそうだった。
「あ、の」
「ん?」
「良ければ…、
二宮くん、帰ってくるまで中へ」
「え?」
「あ、良ければ…なんですけど…」
「じゃあ…お言葉に、甘えて」