第10章 36日目
突然楽屋の扉が開くとバカみたいに大きな声がした。
「ちゃちゃちゃーんちゃーんちゃーんちゃーん♪」
振り向くとバースデイソングの冒頭を歌い始める、蝋燭のついた大きなケーキを持つ相葉さん、と………なんで皆いるのよ。
一列に行儀よく並んで、ニヤニヤしながら順番に顔を出してくる。
「HappyBirthday dearかぁーずー、HappyBirthday to you~♪」
「おめでとう~二ノ~!」
つまりは相葉さんの仕組んだ俺へのバースデーサプライズだったらしい。まんまとやられた。
イタズラとは違って、自分がされる方のサプライズなんて得意じゃないけど、それでもバカみたいにはしゃぐこの人達を見て俺はなんて幸せなんだと柄にもなく思ってしまった、そんなある日の仕事終わり。
「二ノもう少し遅かったらちゃんにチューしてたでしょ~!」
「そうだよ、バカ。タイミング悪いわ。」
「ちょ、いや、二宮くん!」
「今やってよ~。」
「いや、大野さん!」
「キスくらい出来るっしょ?」
「ま、つもとさんまで!」
「やだ!俺メンバーの最中を生で見んの?」
「さ、櫻井さん大丈夫です、しませんから!ね、二宮くん!」
「え?なんで?するよ?」
「バカか!」
二宮くんが一皮剥けた気がします。