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Dye D? 2

第36章 終止符


大倉は何が起こったのか分からなかった。

それより信じられなかった。

信じたくなかった。

大倉のショックも大きかったが、
女はの行動に激しく動揺した。

「う、嘘だぁぁぁぁぁ」

叫ぶと大倉を投げ飛ばし、
の飛び降りた場所に走って行った。

女がその場で崩れるように
倒れ込んでいたのを

大倉は深紅の瞳で、背後から見つめていた。


自分の中の吸血鬼の血が
沸々と湧き上がって来るのを強く感じた。

ゆらりと立ち上がると、躊躇なく倒れかかっている女の首に自分の鋭い牙をめりこませた。

女は大きな叫び声と共に大倉に掴みかかるが、
抵抗虚しくドンドン干からびていった


抵抗していた女の腕が力なく下に落ちた時、
大倉は女の首から牙を乱暴に離して女を投げ捨てた


口を赤い血で汚しながら
大倉は瞳から溢れて
止める事の出来ない涙を流し続けていた。


また、
愛する人を守れなかった自分を
不甲斐なく思い、大声で泣き続けていた


横山「大倉.....」


女の死骸を見ながら、横山が大倉に近寄って来た。


大倉「また、守れなかった、俺は.....」


涙を流し続ける大倉に横山は肩を軽く叩いた


横山「なら大丈夫やで。」


横山の言葉に大倉の表情が動く


横山「が追い詰められたら、
飛び降りる事は分かってたから、
下でみんなで受け止めた」


大倉「ど、どういう事?」


横山は申し訳なさそうに頭をかきながら、
大倉に伝えた


横山「犯人の狙いが赤ん坊って分かった時から、
と二人で決めてたんや。
犯人を屋上に追い詰めて、お前は飛び降りろって」


大倉は意味が分からず横山を見続けていた。


横山「犯人が永遠の命を手に入れられへん事を
分かって落胆させるためにな」


大倉「これも、作戦やったて事?」


横山「最終手段やってんけど、
上手い事いって良かったわ」


意地悪げに笑う横山に大倉は怒りを見せながら


大倉「初めて横山君を恨むよ..」

怒っている大倉の頭を無造作に掴みながら横山は

横山「そう言うなよ、敵は頭がいいから味方すら騙さなアカンかってんて」

大倉は俯いた

横山「さて、の所に行こうか?」

二人は、ゆっくりと屋敷の中に入って行った。
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