第27章 謎の違和感
横山は、自分の部屋に戻り
何冊の本が無造作に置かれているベッドに
身体を横たえた。
天井を静かにみつめながら考えていた。
今回の事件の発端は.....
マルの子供の時から。
ヤツの目的は
純血の吸血鬼の子供を喰って
永遠の若さを手に入れること。
あの時マルを手に入れられなかったから、
大倉との子供を狙ってる。
なぜ、子供じゃなきゃダメなんだ?
今のマルでもいいはずなのに、何でだ?
横山は頭を掻いた。
その時に手にベッドに置かれた本が目に入った。
横山「魔女か...」
少し冷静になった横山はまた考え始めた。
大倉とに子供が出来た事をなぜ、
犯人は知っていたんだ?
俺らの近くにいて、内情を知ってる可能性はある。
今回の事件の始まりは...
あの、女の客が来てからだ。
アイツはエサとして来たゲストだ。
たまたまこんな結果になったのか?
何かおかしい、誰がアイツを選んだんだ?
俺は今回のエサは選んでない...
犯人は、また内部の者なのか?
横山は勢いよく身体を起こすと
足元に散らばっている本をけちらして
部屋の扉を開いて出ようとした。
安田「うわぁ!!!」
そのドアの前にいた安田は驚いて声を上げた。
横山「なんや、ヤス」
目の前の安田に
冷たい目線を送りながら横山は告げた。
安田「ちょっと、気になる事があって話に来てん」
安田の周りを気にしながら話す様子に、
横山はすべてを察したのか、
黙ってドアを開け、
安田を部屋に入れた。